ギャンブルをやめるには“衝動をコントロールする”ことが大切
ギャンブルを完全に禁止するのは簡単なことではありません。
無理に禁止しようとすると、かえって衝動が強くなってしまうことも──。
だからこそ、
「まずは行動を挟む」
という仕組みを作って、少しずつ脳のパターンを書き換えていきましょう。
この記事ではギャンブルの衝動を否定せず、代替行動を間に挟み、徐々にハッキングしていく現実的で効果的な方法を解説していきます。
- 衝動を禁止せず、「先に別行動を挟む」ことで脳をハッキングする方法
- 衝動を利用して、代替行動を習慣化する仕組み作り
- 徐々にギャンブル依存の回路を弱め、自然に手放していく流れ
STEP確認
この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP6-3」です。
単独でも読める記事になっていますが全体の流れを確認したい方は下記リンクへ進みください。
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【結論】ギャンブル行動前に代替行動ルールを守る
内容としては、ギャンブルに行く際に事前に自分で代替行動をしてから行って良いとルールを決めておき、それを実行するというものです。
「絶対に行くな!」ではなく「まず別の行動1回挟む」という作戦。脳は「行動パターンの順番」を変えるだけでも刺激の流れを修正できます。
まずはギャンブルを禁止するのではなく「条件付きでOKにする」ことがポイントです。
【理由】ルールを守る脳を育てる

この作戦のいいところは多々あります。
メリット
- 最初から完璧を目指さなくていい
- 先に「努力」を入れることで即行動の衝動を抑える訓練になる
- 「行動→苦労→快感」という正しい報酬の回路を少しずつ作れる
- 面倒くささによる自然なブレーキがかかる
- 依存行動を「自動発動」させにくくなる
- ギャンブル衝動を報酬として利用できる
- ギャンブルを禁止しないので強引な我慢よりストレスが少ない
- 成功体験を積みながら進められる
ギャンブル自体をいきなりゼロにしなくても、「まず1時間筋トレしてから行く」を守れれば、それ自体がブレーキを鍛えることになります。
実現可能なのか
ギャンブル依存症で難しいのはギャンブルを禁止することになります。
それに対してこの方法は間に別の行動を挟むだけで、ギャンブルはしてもOKな点です。
今すぐやりたいけど、少し苦労すればギャンブルは出来る。むしろギャンブルのためなら苦労くらい余裕だと考えのではないでしょうか。
正しい回路を作ることが狙い
この方法では前段階に“自分でコントロールできた”という体験を積めることが大きな意味を持ちます。
今までのギャンブルは「行動→快感」という苦労せずに無料で手に入る快楽、それがギャンブルでした。
ここを「行動→苦労→快感」という正しい報酬の回路を少しずつ作れることになります。
ここを作らずにすぐやめようとするので、ギャンブル衝動に耐えられなくなります。
【注意点】このままだと依存回路が残るリスクも
ただし注意も必要です。
あくまで「橋渡し」
最終的なご褒美がギャンブルのままだと、依存回路は完全には消えません。
○○(代替行動)=ギャンブルOKという「新しいスイッチ」になってしまう可能性もあります。
だから、この作戦はあくまで「脱出までの橋渡し」だと考えてください。
目指すのは別の報酬
最終的には別のものを報酬として認識することが必要です。
- 代替行動そのものが楽しくなる
- 代替行動の後に違うご褒美を設定する
こうやって少しずつギャンブル以外に移行していきます。
【実施】段階的に依存から脱却する方法

ステップ1:まずは「代替行動をしてから行く」ルールを作る
- 例:「筋トレを1時間してから」「散歩30分してから」「ストレッチしてから」など。
- 内容はなんでもOK。「先に別の行動を挟む」ことがポイント。
やったらギャンブルに行ってもOK!最初はこれでいいんです。
ステップ2:代替行動の「快感」や「別の報酬」に焦点を当てる
- 代替行動中に感じた小さな快感(リフレッシュ感、満足感)を意識する。
- 代替行動の後に自分にご褒美を上げたらギャンブル行かなくても済んだ。
- 例:「散歩したら気分がスッキリした」「コーヒーを淹れる時間が意外と楽しかった」など。
- 気づいたことはメモしておくとさらに効果的。
ステップ3:代替行動後に「行かなくても平気」になる
- 例:「今日は筋トレ後にカフェで休憩して、家に帰る」など
- 禁止するのではなく、「行かなくても平気」という感覚に気付く
- 行かなくてもよかったと、小さな成功体験を積み重ねていく
このステップはステップ2を何度も行ってからで、いきなりやらなくてOK!
ステップ4:ギャンブル不要の生活スタイルに少しずつ移行する
- 代替行動→満足感→別の趣味へ
- ギャンブルの代わりに「満たされる時間」を増やしていきます。
ポイントは、「ギャンブルを我慢する」のではなく、
別の楽しい行動に自然と意識を向けられる脳を育てることです。
習慣にしていく
上記これらの流れは習慣にすることが目的になります。
習慣化のコツについては下記記事で解説していますので良ければご覧ください。
【実例】こんなふうに進めれるとGOOD
- 【例1】週3回、代替行動後の1回はギャンブル、2回は他の楽しみにする
- 【例2】代替行動後に「体重・筋肉量を測定して楽しむ」「写真で記録する」
- 【例3】代替行動後にカフェでご褒美休憩する
最初はギャンブルに行ってOK。
大事なのは、「新しい習慣」を育てている意識を持つことです!
【まとめ】ギャンブル衝動は“仕組み”で乗り越えられる
ポイント
- ギャンブル前に「代替行動(筋トレなど)」を挟むことで脳の流れを変える
- いきなりゼロにしなくてOK。まず順番を変えるだけでいい
- できた行動(筋トレなど)を強化しながら、少しずつ快感回路を乗り換えていく
- 最終目標は「代替行動だけで満足できる」状態を作ること
- 徐々に依存から脱却するための、現実的でやさしいアプローチ
このSTEPでわかること
- 依存から脱却するには「いきなり禁止」ではなく「段階的移行」が有効
- 代替行動に快感を見出せるよう、報酬と焦点の切り替えが大事
- 代替行動の先に「別の快感」があると、依存から自然に離れられる
- 小さな変化・小さな達成感を拾いながら進めることが成功のカギ
最初は小さな一歩でも大丈夫。
少しずつ、あなたの脳と行動をハッキングしていきましょう!
次回
次は、STEP7で今までのSTEPでやってきたことを生活に落とし込み、馴染ませる方法を解説します。
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このサイトが大切にしていること
「この世界は、生きづらいものだ」と思っていた過去があります。
でも今は、そう感じていたのは“思考の回路”が乱れていただけだったんだと気づきました。
このサイト「ゆるやめ」では機械保全士として培った現実重視の“視点”をベースに、脳科学や心理学の知識そして私自身の体験を交えて、我慢ではなく緩やかな仕組みでやめるヒントをお届けしています。
よければ他の記事も覗いてみてくださいね。
参考・出典
- 厚生労働省,依存症についてもっと知りたい方へ,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html - 厚生労働省,依存症対策,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html