期待値は計算で見えてくる
スロットの機械割103%は勝てるのか?計算してみた
パチスロでよく聞く機械割。
97%でも100%と比べてたったの3%しか違わない
でも実は1日でこれだけ明確な「差」が生まれます。
今回は「スロットの機械割」というテーマでお話します。
機械割から期待枚数が分かる「メリット」、最終的な「損益」がどれほどか、そして機械割以外に大事な「要因」が二つ、これらが分かりますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【計算1】機械割から平均期待枚数が分かる「メリット」
まずは機械割について話していきます。
機械割について
機械割は簡単に言うと遊戯台に期待できる「メダル獲得枚数の割合」です。
下記のようなものになります。
| 設定 | ボーナス合算 | 機械割(出玉率やペイアウト率) |
| 1 | 1/183 | 97% |
| 2 | 1/173 | 99% |
| 3 | 1/163 | 101% |
| 4 | 1/153 | 104% |
| 5 | 1/143 | 107% |
| 6 | 1/133 | 110% |
※数値は参考値
こんな感じで遊戯台の情報を調べると出玉率とか機械割とか書いてあります。
設定1と設定6の機械割
例えばメダル1000枚があるとします。
設定1では1000枚を遊戯台で遊んだ結果リターンとして970枚(97%)。
設定6では1000枚を遊戯台で遊んだ結果リターンとして1100枚(110%)。
この結果が打つ前から、平均したらこうなるということ。
このような投入枚数に対するリターン(結果)の割合のことを機械割と言います。
期待枚数の計算
そしてこの機械割から計算して、どれくらいの枚数が期待できるのかを期待値と呼びます。
スロットというのは基本的には一日頑張っても最大で大体8000ゲーム程度です。
そして1回の遊戯に必要なコインは基本3枚になります。
ですので設定1と設定6で期待値を計算すると次になります。
【設定1】
8000ゲーム × 3枚 = 24000枚
24000枚 × 97%(設定1) = 23280枚
24000枚 - 23280枚 = -720枚
【設定6】
8000ゲーム × 3枚 = 24000枚
24000枚 × 110%(設定6) = 26400枚
26400枚 - 24000枚 = +2400枚
つまり設定1での期待値としては、-720枚
設定6なら、+2400枚になり、設定1と設定6で約3,000枚もの差が生まれました。
機械割から分かる「メリット」
これが機械割の意味を知っておくメリットで、機械割110%で1000ゲームなら「平均期待値300枚だなぁ」という、「平均的な目安」が分かるようになります。
【計算2】機械割100%でも負ける「要因その1」
次は「貸し出しレート」と「景品交換率」について話していきます。
100%の損益計算
分かりやすくするために、機械割100%の場合、損益がどうなるのかを計算してみました。
まずおさらいですが、機械割は100%ですので差枚数としては0枚が期待できます。
【機械割100%】
8000ゲーム × 3枚 = 24000枚
24000枚 × 100% = 24000枚
24000枚 - 24000枚 = +0枚
でも差数0枚ですので、現実は何枚かは交換できるということ。
今回はよくある1,000円で46枚貸出、5.2枚交換の場合を例として計算してみます。
投資金額20,000円の場合
(920枚)
最終枚数:920+0=920枚
交換金額:17,692円
利益(差額):-2308円
投資金額は台や状況で変わりますが、結果はだいたい投資に対して「マイナス約11.5%」なります。
投資に対するマイナス率
この%について補足で、交換率に対して、分岐割数というのがあります。
これは今回であれば460枚で10,000円を基準に、1.3割多く枚数があれば10,000円になるという数値です。
そしてそれを金額として計算した結果がこの%で、普段自分が行く店舗の交換率が分かっていればすぐ損失が計算できます。
この%は50,000円だろうと100,000円だろうと、「貸し出しレート」と「景品交換率」が変わらない限り変化しません。
| 交換率 | 換金460枚の時 | 10000円交換枚数 (枚) | 分岐割数 (割) | 投資額に対するマイナス率 |
| 等価交換(4.6枚) | 10,000円 | 460 | 10.00 | 0.00% |
| 4.7枚交換 | 9,787円 | 460 | 10.22 | 2.15% |
| 5.1枚交換 | 9,020円 | 510 | 11.09 | 9.83% |
| 5.2枚交換 | 8,846円 | 520 | 11.30 | 11.50% |
| 5.3枚交換 | 8,679円 | 530 | 11.52 | 13.20% |
機械割以外に大事な「要因その1」
これが機械割「以外」の大事な「要因その1」で、
今回の場合なら、財布から減ったお金の「マイナス約11.5%」が、「貸し出しレート」と「景品交換率」での損失で、この要因が悪ければ悪いほど「利益が減少」していきます。
【計算3】103%なら勝てる?「最終損益」
次は、機械割103%のスロット台であれば勝てるのかについて計算してみました
機械割103%の差枚数
まず機械割103%の場合は、プラス720枚が期待値になります。
【103%】
8000ゲーム × 3枚 = 24000枚
24000枚 × 103% = 24720枚
24720枚 - 24000枚 = +720枚
損益計算してみる
ここから先ほどの「要因その1」貸し出しレートと景品交換率でどうなるのか。
先ほどと同じ、1,000円で46枚貸出、5.2枚交換の場合で計算してみます。
等価交換(参考)
720×20円=14,400円
投資金額20,000円の場合
(920枚)
最終枚数:920+720=1640枚
交換金額:31,538円
利益(差額):11,538円
投資金額30,000円の場合
(1380枚)
最終枚数:920+720=2100枚
交換金額:40,384円
利益(差額):10,384円
103%の「最終損益」
計算結果はこのようになり、機械割103%の台ではプラス約10,000円になることが分かりました。
【計算4】損益が変わる「要因その2」
機械割103%は勝てるんだなぁって話で終わりではなく、ここからその損益をもう少し見ていきます。
投資金額の違いでも変化
先ほどの「貸し出しレート」と「景品交換率」が機械割「以外」の大事な要因その1でした。
そしてこれと同様に「投資金額」でも損益が変化していきます。
| 投資金額 | 交換率 | 借りた枚数 (A) | 最終枚数 (A + 720枚) | 交換金額 | 利益(差額) |
| 10,000円 | 等価交換 (4.6) | 460枚 | 1,180枚 | 25,652円 | 15,652円 |
| 10,000円 | 5.2枚交換 | 460枚 | 1,180枚 | 22,692円 | 12,692円 |
| 20,000円 | 5.2枚交換 | 920枚 | 1,640枚 | 31,538円 | 11,538円 |
| 30,000円 | 5.2枚交換 | 1,380枚 | 2,100枚 | 40,384円 | 10,384円 |
| 40,000円 | 5.2枚交換 | 1,840枚 | 2,560枚 | 49,230円 | 9,230円 |
| 50,000円 | 5.2枚交換 | 2,300枚 | 3,020枚 | 58,076円 | 8,076円 |
具体的にどう変化していくのかを計算してみると、10,000円と50,000円で「約4,600円」の差が生まれました。
たったこれだけの「差」と言えばそうですが、利益でいえば1.5倍の「差」ですのでバカにできない差です。
機械割以外に大事な「要因その2」
これが機械割「以外」の大事な「要因その2」で、「投資金額」が多ければ多い分だけ「利益は減少」していきます。
【注意点】103%は勝てるけど「荒波注意」
次に注意点で、今回の結果で言えば勝てる計算ですが、「荒れやすさ」で展開は大きく変化します。
実践は荒れる
今回の計算は、かつて一世を風靡した、技術介入によって機械割が約103%になる人気台(ディスクアップなど)をイメージしています。
機械割103%の台はスペック上「平均すれば勝てる」はずですが、実戦ではなぜかそうもいきません。
なぜかと言うと、機械割が約103%という数値はあくまで平均値で、実際の展開が計算上の利益に近づかない主な原因は、「荒れやすさ」のせいです。
荒波を作る要因
イメージした機種では、ART(アシストリプレイタイム)などの出玉性能が搭載されている代わりに、基本のボーナス確率が低く設定されています。
そのため、そもそもボーナスが当たりにくく、投資金額が増加しやすい傾向があります。
また、ARTに入るか入らないかでも出玉の展開が大きく変わるため、「波が荒くなりやすい」です。
さらに確率の低いボーナス(同色BIGなど)などを引けないと、平均値である今回の利益(プラス約10,000円)にはなかなか近づきません。
だから実践では、引けない日はマイナスに終わり、たまに引けた日だけ大幅なプラスになる、といった展開になりやすいです。
「荒波注意」
ですので少しまとめると、ART等による「安定感がない荒波」が、今回の機械割「以外」の大事な「要因その2」、「投資金額」に影響する。
そして「貸し出しレート」と「景品交換率」の影響でどんどん損失が大きくなる。
これがあるからスペック的には103%でプラスになる計算ではあるが、「割と負ける台」になってしまうわけです。
【結論】機械割は指標だけど要因で変化する
今回の結論としては、機械割は指標になるけど、要因で損失が変化する。
そしてその要因に影響を及ぼすのが「荒波」、ということが分かりました。
ただ、安定している台はつまらなくなるので、楽しめるように荒くしてあることは悪いことではないです。
あとは自分がどんな選択をするのかが重要だと思います。
まとめ
今回のテーマ「スロットの機械割」はいかがでしたか?
- 機械割は遊戯台に期待できるメダルの獲得枚数の割合のこと
- 97%と110%なら一日で3,000枚ほどの差が生まれる
- メリットとして機械割から「具体的な目安」が分かる
- 要因その1、「貸し出しレート」と「景品交換率」の影響で機械割100%でも負ける
- 機械割103%ならプラス約10,000円になる計算
- 要因その2、「投資金額」の影響で利益1.5倍の「差」が生まれる
- 「荒れやすさ」で展開が変化し、要因に影響を与える
- だから実践では、「103%でも割と負ける台」になる
今回はこのような内容でした。
知っててやるのと、知らないでやるのとでは受け取り方に「差」が生まれます。
荒波を楽しんでやるなら「負けてもしょうがない」と思えるかもしれませんが、知らないとただただムカついてしまいます。
機械割からだけでは分からない要因や荒れやすさにも注目してみると、その時の自分に合った選択が見つかるかもしれません。
備考
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