行きたくなってしまうのは、「心の余裕」が足りてないから
ギャンブルをやめようと決意したのに、
ストレスや不安が募ると、ふと「ちょっとだけなら…」という気持ちになる。
そんな経験、ありませんか?
これは意志の問題ではなく、心が疲れているサインかもしれません。
人間の脳はストレス状態になると“手っ取り早い快感”を求めて動き出します。
そのときギャンブルのような「即効性のある刺激」に引っ張られてしまうのは、とても自然なことなんです。
この記事ではギャンブルに「行きたくなる環境」を「行きたくならない環境」に変えて、やめられる環境に整える対策を心のケアに焦点を絞って解説します。
- 行きたくならない環境を作る方法(心の疲れ対策)
- 具体的にやるべき対策リスト
STEP確認
この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP4-3」です。
単独でも読める記事になっていますが全体の流れを確認したい方は下記リンクへお進みください。
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【結論】「気持ちを整える」と、衝動が静まる
ギャンブル依存症は様々な要因からギャンブルをやりたいという気持ちが高まります。
そしてその要因としてギャンブルとまったく関係なさそうな私生活でのストレスや健康維持が意外と大切だったりします。
脳が「快感を求めてブレーキが効かない状態」にならないために、日常の中でストレスを抜く仕組みを作っておく。
それがギャンブルをやめるために少しずつ効果を発揮してきます。
【理由】ブレーキが弱まっている

私たちの「意思決定」や「感情制御」をしている脳のブレーキは疲労やストレスに弱く、またギャンブル依存症になると変化して機能が低下する可能性があると研究で分かっています。
その結果
- 「感情を抑える制御力」
- 「今、やるべきことをやる集中力」
- 「やりたくないことを区別する判断力」
といった理性が必要な力が弱まってしまいます。
これが「やめたいと思っているのに、やってしまう」行動に繋がり、ギャンブルがやめられない要因になります。
この対策の一つとして、心のケアは効果的となります。
詳しい記事は下記をご覧ください
【実施】衝動に負けない「心のケア」対策75選

① 朝の太陽を浴びる
朝起きたら、5分でいいので窓のそばに立ちましょう。効果として、一日気分が落ち着き、体内時計も整って、夜よく眠れるなど生活リズムが改善されます。これはセロトニンと呼ばれる心身をリラックスさせるホルモンの分泌を促すからです。
参考方法としては次になります。
- カーテンを開けて陽の光を浴びる
- ベランダや玄関先に出る
- 寝起きのコーヒー・お茶タイムを日光の当たる場所で
他にもこんな“朝ルーティン”があります
- ラジオ体操で体をゆるめる
- 朝一に「今日やること」を紙に書く
- 軽く深呼吸する
- 白湯を飲む
- 朝食を摂る
- 瞑想する
- 読書をする
- 少し窓を開けて空気を入れ替える
朝は忙しくなりがちですので、考えずに動けるルーティンを作っておくとストレス低減に繋がります。
ちなみに僕はカーテンを開けて歯を磨きながら朝日を浴びる、朝食後にかるくストレッチしながら浴びるルーティンにしています。気が乗らない時は白湯飲みながらぼけっと浴びてるときもあります。
② 軽くでも、体を動かす
2つ目は軽く体を動かすことです。
効果として、体温が上がり、脳の緊張がほどる、リラックスできるなどがあります。これは心身をリラックスさせるセロトニンや鎮痛作用や多幸感をもたらすエンドルフィンと呼ばれるホルモンの分泌を促すからです。
参考方法としては次になります。
- 近所を10分歩く
- ストレッチをする
- コンビニまで歩く
- 腕をぐるぐる回して肩をほぐす
- エレベーターではなく階段を使う
他にもこんな“軽い運動”があります
- ヨガ動画を1本だけ観ながらやってみる
- スクワットを10回だけやる
- ランニングではなく“散歩”でOK
- スマホを持たずに歩く
- 「足を止めない」を意識する
これは補足ですが、負荷をかけた運動をすることでストレスに強くなっていきます。これはストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌バランスが整いやすくなるからです。
ですので2つを比べた場合の効果として、軽い運動はストレスを減らす効果が、負荷をかけた運動はストレスの耐性をつける効果があるということです。ちなみに軽い運動はウォーキング、ストレッチ等で、負荷をかけた運動はジョギングやランニングなどです。
ですので、まずは軽い運動から初めて、もし続けられそうであれば負荷をかけた運動も取り入れるとより効果的です。
③ 不安やイライラは「書き出す」
3つ目は不安やイライラは書き出すことです。
効果として、感情を紙に書くだけで、脳のモヤモヤは少し晴れます。
これはラベリング効果と呼ばれるもので、感情を言葉にすることで思いが弱まる、また脳科学的にも、前頭前野と呼ばれる脳のブレーキが活性化して、コントロールしやすくなるとされています。
参考方法としては次になります。
- 何があったのか事実だけ書く
- そのときどう感じたかをそのまま書く
- 誰にも見せない前提で書く
- 手書きが面倒ならスマホメモでもOK
- 「よく分からない感情」もOK
他にもこんな“書き方の工夫”があります
- 「今不安なことTOP3」を書く
- 「こうなったらいいのに」願望を妄想してみる
- ネガティブなことの裏にある“望み”を見つける
- 終わりに一言「おつかれ」と自分に書く
- 過去・未来の自分へ手紙を書く気持ちで書く
補足として、誰かに相談するだけでも不安やイライラは低減していきます。これは「カタルシス効果」と呼ばれるもので、抱えている悩みや感情を言葉にすることで、心理的な負担が軽減されます。
④ 1日1つ“安心スイッチ”を用意する
4つ目は1日1つ安心スイッチを用意することです。
効果として、副交感神経が優位に働いている状態になり脳がリラックスできます。これは心身をリラックスさせるセロトニンや、気分を安定させ幸福感をもたらすオキシトシンの分泌を促すからです。
またこれはコンフォートゾーンと呼ばれる、ストレスや不安が無くて落ち着ける「快適な空間」です。特に一日の終わりに取り入れてみましょう。
参考方法としては次になります。
- 好きな音楽を聴く
- 温かい飲み物を飲む
- あえて「今日のご褒美タイム」をつくる
- 湯船に10分だけ浸かる
- ペットと触れ合う/家族と短く会話する
他にもこんな“安心スイッチ”があります
- 窓を開けて風を入れる
- 好きな香り(アロマ・柔軟剤・石鹸)を楽しむ
- 雑誌やマンガを読んでリラックス
- 今日の「小さな達成」をひとつ思い出す
- 軽くストレッチ・体をほぐす
注意点として、お酒や食べ過ぎ、スマホはリラックスのつもりでも実際には休まりません。
⑤ SNSやニュースから距離をとる
5つ目はSNSやニュースから距離をとることです。
効果として、脳の疲労を防ぐことができます。これはSNSやニュースからの刺激は情報過多となるからで、脳は見聞きしたことを無意識に処理しようとしてオーバーワークしてしまいます。
参考方法としては次になります。
- 通知をオフにする
- SNSアプリを1回アンインストールしてみる
- ニュースを見る時間帯を決める(例:昼だけ)
- フォロー・登録を一時的に整理する
- 「今日は1日SNSを見ない日」をつくってみる
他にもこんな“情報デトックス術”があります
- スマホの「集中モード」を活用する
- 寝る1時間前にスマホを触らない習慣
- スクリーンタイムを見て使用時間を把握
- YouTubeのおすすめを無視して目的の動画だけ観る
- 「通知に振り回されない日」を週に1回以上作る
「自分を乱すもの」と「距離を取る時間」を、毎日つくってみましょう
⑥ 日々の作業を効率化して無駄な判断を減らす
6つ目は効率化して無駄な判断を減らすことです。
効果としてストレスが減り、ギャンブルの誘惑にも負けにくくなります。これは、決断を人は1日に35,000回のしているという研究結果があります。その結果「決断疲れ」をしてパフォーマンスが低下してしまう。この時、脳のブレーキも弱まってしまうので、ギャンブルの誘惑に勝てなくなるし、ストレスにも弱くなります。
参考方法としては次になります。
- 毎朝やることリストを固定化(朝の3ステップ)
- “服・食事・道”などを1パターンにして選ばない
- 日用品のストックは“2個ルール”に統一
- 1日1回、時間を決めて“まとめ対応”をする(メール、買い物など)
- 手帳やGoogleカレンダーに「予定の型」を作る
他にもこんな“効率化方法”があります
- 買い物リストは定型フォーマット化(毎週コピペ)
- ToDoリストに“やらないことリスト”も併記する
- 音声入力 or チャットでメモを取る
- 寝る前に「明日やらないこと」を1つ決めておく
- 「やる→記録→振り返り」の3ステップをルール化
⑦ 脳をトレーニングしてリフレッシュ&強化する
7つ目は脳をトレーニングすることです。
効果として脳のリフレッシュと強化ができます。
脳のブレーキは「慣れていないこと」「新しいこと」「ちょっと考えること」といった小さな刺激や考える負荷を与えることでリフレッシュしたり、機能が向上したりします。
参考方法としては次になります。
- 脳トレアプリ(数独・計算・間違い探しなど)
- 逆利き手で日常動作(歯磨き・箸)
- 短時間の集中ゲーム(テトリス、ミミズゲームなど)
- 新しい道を歩く・乗る
- 1日1個、何かを暗記する(名言、英単語)
他にもこんな“トレーニング方法”があります
- 今日の出来事を「3行」で要約する
- 軽い筋トレやストレッチをしながら逆算で数字を数える
- 人と雑談する(できれば初対面の人と)
- 新しいレシピに挑戦する
- 1日1つ「なぜ?」を考える習慣
注意点としてやりすぎると疲労になりますので、適度にやりましょう。
⑧ 栄養を整えて、脳の安定スイッチをサポートする
8つ目は栄養を整えて、心をサポートすることです。
効果として、心が安定しやすくなります。
これは私たちの心、精神、メンタルは、気合や気分だけで決まるわけではないからです。ここまで解説で出てきたセロトニンなど「ホルモン」の影響があるからです。そしてこのホルモンは、食事から摂る栄養素を材料に作られていることが知られています。
つまり、栄養が不足していると、どんなに頑張っても心は安定しにくくなるのです。
特に意識したい栄養素
- たんぱく質(セロトニン・ドーパミンの材料)
- ビタミンB群(セロトニンを作り出す為にビタミンB6が必要)
- 鉄・亜鉛・マグネシウム(神経伝達の正常化に関与)
こんな工夫をしてみよう
- 朝食に「たんぱく質」(卵・納豆・ヨーグルトなど)を少しでも入れる
- できる範囲でバランスの良い食事を意識
- 食事だけで難しければマルチビタミンやプロテイン補助も一つの手
- 無理なダイエットや偏った食生活を避ける(極端な糖質制限なども注意)
- 間食として「ナッツ」を食べる
「心の安定」も「栄養」という物理的な土台があってこそ。
少しずつ、無理なく「体に優しい選択肢」を取り入れてみましょう。
【結論】ストレスはギャンブルで解消ではなく、日々のケアが有効
仕事のストレスをギャンブルで解消するというのはギャンブルをやる理由としてよくあります。他にも自分では気付いていない様々なストレスが手軽に出来てストレス解消が可能なギャンブルをやる理由になっているかもしれません。
ですのでギャンブルをやめるためにもまずはギャンブルをどうにかするのではなく、健康維持からストレス軽減など日々の心のケアをして、ギャンブルをやる理由を減らすことが有効です。
そしてこの活動はギャンブルをやめたあとにも日々を快適にしてくれますのでぜひ取り入れていってください。

脳に“冷却時間”を与えないと、理性の回路が止まってしまう。
だからこそ、心のメンテナンスが安全装置になります。
【まとめ】
ポイント
- 衝動が出るのは、「心の疲れ」がサインを出しているから
- 心が整うと、ギャンブルに頼る必要がなくなる
- 自分のメンタルを整えることは、回路の“冷却”であり、再起動の準備
このSTEPで得られること
- 衝動の“土台”になっていたストレスを軽くできる
- 心が整うことで、衝動自体が湧きにくくなる
- 「自分は耐えられる」と思える余裕が生まれる
次回
次は【STEP5】依存の代わりに小さな活動を始める、を解説します。
(パチンコ・スロット依存脱出ガイドに飛びます)
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「この世界は、生きづらいものだ」と思っていた過去があります。
でも今は、そう感じていたのは“思考の回路”が乱れていただけだったんだと気づきました。
このサイト「ゆるやめ」では機械保全士として培った現実重視の“視点”をベースに、脳科学や心理学の知識そして私自身の体験を交えて、我慢ではなく緩やかな仕組みでやめるヒントをお届けしています。
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参考・出典
- 厚生労働省,依存症についてもっと知りたい方へ,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html - 厚生労働省,依存症対策,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html