習慣が身に付いてきたら徐々に減らしてみよう
いきなりギャンブルを減らす、禁止するというのは難しい場合があります。
まずは生活習慣を変えて、徐々に減らしていくことが良いでしょう。
「やめられなくても学びになる」くらいの、緩やかな気持ちで進めるのがベストです。
この記事ではギャンブルをやめるための「減少させる方法とタイミング」を解説していきます。
- 「減らしてみる」のタイミングと進め方
- やめられなくても焦らなくていい理由
- 減少チャレンジの具体的なやり方
STEP確認
この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP8-1」です。
単独でも読める記事になっていますが全体の流れを確認したい方は下記リンクへ進みください。
シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。
【結論】習慣は徐々に減らす
ギャンブルをやめるためにまずはいきなりやめるのではなく、徐々に回数や1回の時間を減らしていくことで無理なくやめていくことができます。
そのためにやるべきことはSTEP7の新しい生活サイクルを回すことで、自然と回数や時間は減ってきます。
STEP7の新しい生活サイクルについての詳しい内容は下記をご覧ください
ここではそれをもう少し意識して自分の意志で減らしていきましょう。
減少チャレンジのやり方は基本的にはSTEP7の新しい生活サイクルを維持継続しつつ下記を追加します。
- 意識的に行かない日を作る
これだけです。
つまり「行きたいけど今日はやめてみよう」と意識的に行かない選択をして代替行動をするということになります。
ここからはその理由ともう少し詳しいやり方を解説していきます。
【確認】1週間単位で生活サイクルを回す

ギャンブルをやめるためにはギャンブルをやりたいと思わないように徐々にしていき、ギャンブルが必要ない生活にすることです。
そのためには様々な対策内容を生活に組み込んで馴染ませていけばおのずとなっていきます。
そしてそのサイクルを回す為の方法としてはPDCAサイクルと呼ばれる方法を使います。
とにかく行動が必要で、1日1日の積み重ねが大切。
ですので長期での計画ではなく、小まめに見直しが出来る1週間単位で生活サイクルを回すことがポイントです。
詳しい記事は下記をご覧ください
【準備確認】ギャンブル行動パターンの変化チェック

ギャンブル行動パターンが変化しているかどうかをSTEP 7-2【ビフォーアフターチェック!】でチェックをしていますが、変化はありましたか?
まだチェックをしていない方は下記記事でチェックリストを解説していますので一度ご覧ください。
ギャンブルをやる回数や時間数でギャンブル減らすチャレンジをするかどうか、ひとつの目安を決めたいと思います。
回数が週の半分未満になった人
これは人によりますが、週4日以上やっている人はまだチャレンジする段階ではないかもしれないです。
(想定は週5が仕事で休日2日の場合)
週3日以下に減らせるまではSTEP7の生活サイクルを継続して改善を進めていきましょう。
週4日以上やっている状態から減少チャレンジをすると、ギャンブル衝動が高く苦しい思いをするかもしれません。
それよりまずは新しい生活サイクルを回して改善を続けていくことで、代替行動だけでギャンブルをやらなくても平気だったという状態を増やしていきましょう。
変化が無い人
元から週3日以下だけど、回数や時間がまだ変化していないという人はもう少しSTEP7の新しい生活サイクルを継続して改善を進めていきましょう。
回数や時間に変化がないということはまだまだ新しい生活サイクルが馴染んでいないということです。
回数や時間が元の半分未満になった人
元々ギャンブルをやっていた回数や時間が、STEP7の新しい生活サイクルをしたことで半分未満になった人はこのまま減少チャレンジをして、ギャンブルが不要になるよう加速させていきましょう。
自由時間の半分が目安になります。
- 平日4時間の自由がある → 2時間未満
- 休日8時間の自由がある → 4時間未満
【理由】過半数を超えない

私たち人間は同じ行動を週3日程度では習慣にならない。週4日以上続けることで習慣になりやすいと言われています。
これは4日が大事ではなく、1週間の過半数をやっていることで脳が必要な行動なのだと認識しやすいと言われています。
詳細は下記記事で解説していますのでご覧ください。
3/7回が目安
ですので1週間で3/7回なら習慣になりにくい状態となります。
ここまでをSTEP7の新しい生活サイクルを継続して改善を進めることで達成できるようになってきたら、次の減少チャレンジに進んでいきましょう。
【目標】減少チャレンジの目標は月3回以内

減少チャレンジの最終目標としては次になります。
目標は休日の半分未満
最終的には
- 平日はいかない、もしくは週1回程度
- 休日は1ヶ月で3回以下(休日が8日の場合)
- 1回の時間は4時間未満(休日8時間の自由がある場合)
程度を目標にしていきましょう。
【理由】休日がメイン
ギャンブルの場合は休日に行くのがメインだと思いますので、休日の日数を月に8日として
- 1ヶ月で3/8なら習慣になりにくい状態
となりますので一つの目安としてこの状態を目標としています。
【実施】行きたいけど1回やめてみよう
減少チャレンジのやり方は基本的にはSTEP7の新しい生活サイクルを維持継続しつつ下記を追加します。
- 意識的に行かない日を作る
これだけです。
つまり「行きたいけど今日はやめてみよう」と意識的に行かない選択をして代替行動をするということになります。
STEP7との違い
STEP7の新しい生活サイクルとの違いとしては、STEP7では行きたい時には代替行動をしてから行くというルールで、あくまで新しい生活を組み込むことで自然と回数と時間を減少させるSTEPでした。
減少チャレンジではここから更に「まだ行きたいけど行かないで他の代替行動をする」となります。
こうして意識的にもう一歩踏み出して、行かない日を増やしていくこととなります。
具体的なやり方
具体的なやり方は下記の流れになります。
- 【今までのSTEP7】
ギャンブル衝動 → ブレーキ → 代替行動ルール → ギャンブル衝動 → ギャンブル - 【減少チャレンジ】
ギャンブル衝動 → ブレーキ → 代替行動ルール → ギャンブル衝動 → 代替行動ルール
単純にギャンブルまでの間を増やしたことになりますが、この時の代替行動の種類を変えていきます。
代替行動を変える
この時、代替行動の内容に注目してください。
【減少チャレンジ】
ギャンブル衝動 → ブレーキ → ①代替行動ルール → ギャンブル衝動 → ②代替行動ルール
- 1回目:筋トレなど負荷の高いもの
- 2回目:ゲームや漫画など手軽なもの
1回目はギャンブルを報酬として、少し負荷の高い代替行動を選択しています。
2回目は行動そのものに楽しさなど報酬があり、手軽なものを選択していきます。
もちろん今までの新しい生活で行っていた代替行動でも良いです。
【目的】行かないことが目的ではない

減少チャレンジはあくまでも行かない日を作ってみる。そして重要なのはそこでの気付きとなります。
我慢せず行っていい
減少チャレンジのポイントはまずギャンブルを禁止しないことです。
実施後にまだギャンブル衝動が強くある場合は我慢せずに行きましょう。
3回程度続けてギャンブル衝動が強くありギャンブルに行っている場合は上記2回目の代替行動の内容を変えるといった改善をしてみるのも手です。
行ったり来たりするのが普通
そもそもSTEP8は一本道ではなく、行ったり来たりするのが普通の道です。
まだ難しいと思った時は、STEP7の新しい生活サイクルを継続して改善をする道を進めるのもOK。
そしてまた「やめてみようかな」と思った時に、軽くスタートすればいいだけです。
我慢してぶつかって諦める、行動をやめて立ち止まるではなく、サイクルを回すだけで進んでいけます。
行動の目的は「我慢」ではなく「気づき」
このSTEPの本当の目的は、「行かないこと」ではなく、「行かない日でも意外と大丈夫だった」と気付くこと。
たとえば──
- 代わりに散歩したらスッキリした
- それほど耐えなくても行かなくても平気だった
- 誘惑に耐えられた自分の成長
そんな“小さな気づき”を拾うことで、
「あれ?もしかして、前よりギャンブルがいらなくなってる?」という実感が育っていきます。
【まとめ】「減らすチャレンジ」は、やめる前の大切な準備
いきなりギャンブルをゼロにするのは、誰にとってもハードルが高いこと。
だからこそ、このSTEPでは「行かない日を1日だけ作ってみる」という、小さなチャレンジから始めます。
禁止ではなく“気づき”を目的に、無理なく焦らず、自分のペースで進んでいきましょう。
ポイント
- ギャンブルをやめる前に「回数・時間を減らす」ことからスタート
- 週3日以下 or 時間が自由時間の半分以下を目安にチャレンジ開始
- 週4日以上ギャンブルしている人は、まずはSTEP7を継続して整える
- チャレンジは“禁止”ではなく「意識的に行かない日を作る」だけ
- 代替行動を1回目(報酬型)と2回目(気軽に楽しめる型)で切り替えると効果的
- 振り返りで「できたこと」「気づいたこと」をメモする習慣が成長を加速させる
- 行かないことが目的ではなく、「行かなくても意外と大丈夫だった」と気づくことが目的
次回
次は、いよいよギャンブルを禁止してやめるチャレンジに進みます。
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このサイトが大切にしていること
「この世界は、生きづらいものだ」と思っていた過去があります。
でも今は、そう感じていたのは“思考の回路”が乱れていただけだったんだと気づきました。
このサイト「ゆるやめ」では機械保全士として培った現実重視の“視点”をベースに、脳科学や心理学の知識そして私自身の体験を交えて、我慢ではなく緩やかな仕組みでやめるヒントをお届けしています。
よければ他の記事も覗いてみてくださいね。
参考・出典
- 厚生労働省,依存症についてもっと知りたい方へ,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html - 厚生労働省,依存症対策,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html