ギャンブルから抜け出すには「認知の修正」が重要
こんにちは、「ゆるやめ」ブログです。
今回はギャンブルをやめるために重要な「認知の修正」について解説していきます。
みなさんはギャンブル依存症から抜け出すためにはサポートを受けることがおすすめだよ、と言われたことがありませんか?
ですがそうはいってもサポートを受けるのはなんだか恥ずかしい、そこまでおおごとにしたくない、なんとか自力でやめたい、そう思うかたは大勢いることでしょう。実は僕もそんなひとりでしたので気持ちはよく分かります。
ではサポートを受けずにひとりでもギャンブルから抜け出すことはできるのか?それはもちろん可能です。ただそのためにはがむしゃらにやめるのではなく、サポートを受けた場合に、どのような活動をして、どんな効果があってやめられるのか。
それを知り、それと似たような効果が期待できる活動をすることで、ひとりでもやめることができます
ここからが今回のポイントで、サポートの内容は多々ありますが中でも重要なことが一つあります。それは「認知」と呼ばれる物事の捉え方が修正されるということです。その効果としてはギャンブルに対する考え方が変わることで、
行きたいという意欲が減ります。そして意欲が減ることでギャンブルに行きたいけど我慢せずに耐えられるレベルだから踏みとどまりやすくなる、というわけです。
ですので、この認知の修正方法を知ることで、ひとりでもギャンブルから抜け出すことができるようになっていく可能性が高くなっていきます。
今回はこの「認知の修正」について解説していきます。具体的なやり方や、なぜ「認知の修正」が有効なのか、その理由についても分かるのでぜひ最後まで見て行ってくださいね。
ただ記事が少し長くなってしまったので、前半、後半に分けています、ご了承ください。
- ギャンブル依存症から抜け出すためになぜサポートを受けると良いのか?
- ひとりでも抜け出すために必要なこととはなにか?
- 依存症から抜け出す秘訣、「認知」とはなにか?
- 「認知」を修正する具体的なやり方
ちなみに僕は普段、生活改善に役立つ様々な「ゆるくやめる方法」を解説しているので、興味のある方はぜひブックマークをお願いします。
【関連動画】

【理由1】サポートの効果とは?

まず初めにサポートを受けるとどのような効果があるのか、簡単に解説していきます。これを知ることで今後ギャンブルから抜け出す際に役立ちます。
結論としては冒頭でも話していますが、認知の修正と他にも様々な効果が期待できます。
サポートは主に二つに分類でき、一つ目は専門のサポートで、専門の治療院によるサポートになります。こちらでは個別の状況に合わせた環境改善などアドバイスを行ってくれます。薬物療法もありますが、重度の依存症でないかぎりは薬物療法を行う可能性は低く、基本的には認知行動療法と呼ばれる認知の修正がメインになる場合が多いです。
これが今回の記事でもメインですので後ほどしっかり解説します。
専門の治療院によるサポートで期待できる効果としては「認知の修正・環境の改善・家族への支援」といったものがあります。
二つ目は自助グループと呼ばれる、同じように依存症で苦しんでいる人々と出会い、互いに支え合うことができるサポートがあります。こちらでは主に相手の経験談や自分の経験談を語り合う活動がメインになります。これは集団精神療法と呼ばれる、互いの体験や感情を共有することで、自己理解を深め、心理的な問題を解決していく治療法です。
自助グループによるサポートで期待できる効果としては「認知の修正・孤独感の軽減・回復へのモチベーションアップ」といったものがあります。
サポートがおすすめ
このようにサポートを受けることで様々な効果がありますので、受けられる環境であれば受けることをおすすめします。
このサポートの効果に関してより詳しく知りたい方は別の記事で解説をしますので、そちらもぜひご覧ください。
【理由2】ひとりでも抜け出すために必要な事とは?

サポートの効果を知ることで、ひとりでも抜け出すために必要なことが見えてきました。ひとりでも抜け出すために必要なこと、それは「認知の修正・環境の改善・孤独感の軽減・回復へのモチベーションアップ」といったものがあります。
こうした効果が期待できる活動を取り入れることで、ひとりでもサポートを受けずにギャンブルから抜け出すことができることでしょう。
ですので今回解説する「認知の修正」だけではギャンブルから抜け出すにはやることが足りません。それでも重要な一つである、ということは分かって頂けたかと思います。
【理由3】認知の修正とは?

次に認知の修正について解説していきます。
この認知の修正は認知行動療法と呼ばれる治療法があり、その治療法を使うことでギャンブルに対する意欲を減少させる効果が期待できます。
認知行動療法とは?
この認知行動療法は、依存症対策全国センターでも依存症の治療に効果(エビデンス)がある心理療法として知られており、世界中の治療現場で用いられています。
依存症対策全国センター,依存症のための心理療法,2025/6/19
https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment-method/psychotherapy
ですので今まで一度も聞いたことがないという方は逆にチャンスです。もっとも効果が期待できるであろう方法をまだ試していないのですから。
認知行動療法の内容はどんなものなのか?

次にこの認知行動療法がどのような内容なのかを簡単に解説します。
たとえば、ギャンブルは運が良ければ勝てると考えている人の場合、現実ではギャンブルは基本的には胴元が勝つ仕組みである、だから参加者は負けるのが当たり前ですので、認知に歪みが生じている状態ですのでこれに気付き、現実的な考えを受け容れていくことで修正されていきます。
他にも「今回は負けたけど次は勝てる」、「失敗しても何とかなる」、「最後の最後まで勝負は分からない」といった、パッと聞いた感じだとポジティブで良さそうに聞こえる考えの人の場合。現実ではこれはただポジティブなだけでなんの根拠もない考えです。これに対しても同様に、参加者は負けるのが当たり前だという現実的な考えを受け容れていくことで修正されていきます。
このように自分の考えは正しいのか?と客観的に見てみる。そして自分の「歪んでしまった考え方」を現実的に考えて修正していくのが認知行動療法になります。
認知行動療法の効果とは?

この認知行動療法は本当に効果があるのか?聞いている感じだとお説教のようにしか聞こえないけど?そんな思いがみなさんの中であるかもしれないですが、その気持ちはとてもよく分かります。僕も最初知った時に、これって洗脳とか、言われたことを正しいと考えなきゃいけない、親の言う事は絶対だと教えこまれた子供みたいじゃないかって思いました。
でも安心してください。この認知行動療法はギャンブル依存症以外でも広く使われており、精神的に病んでいる精神疾患の人などにも効果があるとされるほど有効な方法です。
なぜなら、この認知行動療法はなんと感情を変化させる効果があるからです。
たとえばギャンブルに対して、行っても勝てないと考えている人は行きたい意欲は高まりませんよね?もちろん依存症の場合は駄目だと分かっていても行きたくなるものですが、ここで更に行ったら勝てると考えていると意欲がどんどん高まってしまいます。これはギャンブルに対して「好き、楽しい」といった感情を持っているからになります。
そこでこの認知行動療法を使うことで、現実的に考えるとギャンブルは勝てないものと考えることが出来るようになっていきます。考え方が変わると次は、勝てる気がしないと気持ちが変わり、好きだったギャンブルが好きじゃなくなって感情も変わっていきます。
こうして歪んだ考え方を修正することで、思考から生まれる感情を変化させ、結果としてギャンブルに対する意欲を下げる効果が認知行動療法には期待できます。
再発防止の効果もある

認知行動療法の効果はそれだけではありません。
さらに再発の可能性も減らすことができます。
これはただ環境を変えてギャンブルから離れてやめただけの場合は、歪んだ考え方の修正をしていない状態ですので、ギャンブルに対する感情はそのままになっている可能性が高いからです。
ですのでせっかくやめたけどすぐ戻ってしまう。
ですが根本的に考え方を修正してくれる認知行動療法は言ってみれば意欲が生まれる要因に対するアプローチですので、再発の可能性を大きく減らす効果が期待できます。
日常的に認知は修正されている?

認知行動療法というと、病気の人に対しての治療というイメージがあるせいか、あまり知られていないです。ただ似たような効果がある行動を多くの方が取っています。
みなさんはマインドセットと呼ばれるビジネス業界で最近よく耳にする言葉を聞いたことはありませんか?このマインドセットとは考え方や物事の見方を示す言葉で有名どころとして二つのマインドセットがあります。
一つ目は成長マインドセット、これはたとえば努力で能力は上げられる、失敗は成功の元だ、という成長に目を向けるマインドです。
二つ目は固定マインドセット、これはたとえば才能が無いから努力しても無駄だ、失敗したくないからやらない、という変化を否定し固定されたマインドです。
これって実は、「認知」の話だったりします。認知行動療法は「現実的に考える」ことで歪みを修正しますが、この成長マインドセットは「成長できると考える」ことで考えを修正しています。
他にも身近なところでいうと、ポジティブ思考とネガティブ思考があります。たとえば「メールがこないときの考え方」で、ポジティブ思考の人は「今、相手は忙しいんだろう」くらいで終わります。ですがネガティブ思考の場合は「変な内容を送っちゃったかな?怒ってるのかな?」といった考え方をして、不安な感情が生まれます。
この時もし「忙しくて返信できなかった」と相手から連絡を貰えると、「こういうケースもあるんだ」と体験でき、学習して、次同じことがあっても「また忙しいのかな?」と考え方が変わる場合があります。これはつまり認知が修正されたということです。
このように割と日常的に私たちの認知は知ってか知らずか修正されており、これを意図的に修正していく方法が、認知行動療法になります。
認知行動療法はひとりでも可能?

そしてこの認知行動療法はセルフでも行うことができることが広く知られています。ただしそれでも専門家のサポートがあった方がより効果的に行うことができますので、症状が重い場合には専門家のサポートを受けることを検討したほうがよいでしょう。
まとめ

このように、認知行動療法は世界中の治療現場で用いられるほど実用的で、その効果としては感情を変化させることができます。そして結果として感情から生まれるギャンブルに対する衝動を減少させる効果が期待できるということです。
また認知行動療法は洗脳といった怪しいものではなく、私たちの日常でも「認知」は深くかかわっており、普段は無意識に変化しています。それを意識的に修正する方法が今回解説している認知行動療法になります。
前半の「認知の修正」が重要な理由についてはここまでになります。後半の「具体的なやり方」については続きをご覧ください。
次回
次回は「後半・具体的なやり方」について解説していきます。
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このサイトが大切にしていること
「この世界は、生きづらいものだ」と思っていた過去があります。
でも今は、そう感じていたのは“思考の回路”が乱れていただけだったんだと気づきました。
このサイト「ゆるやめ」では機械保全士として培った現実重視の“視点”をベースに、脳科学や心理学の知識そして私自身の体験を交えて、我慢ではなく緩やかな仕組みでやめるヒントをお届けしています。
よければ他の記事も覗いてみてくださいね。
参考・出典
- 厚生労働省,依存症についてもっと知りたい方へ,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html - 厚生労働省,依存症対策,2025/4/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html