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【ブレーキが効かない】パチンコ・スロットでやめようと思っているのに、なぜ止められない？

原因（STEP2）
STEP2 ギャンブル ストレス ブレーキ 依存症 前頭前野 原因 知識

やめようと思っているのに、なぜ止められない？

「今日こそはやめよう」「もう行かない」と思っているのに──
気づけばギャンブルの世界に引き込まれてしまう。

これは意志の弱さではありません。
実は脳が「止まらない理由」を抱えているからです。

この記事では、ギャンブルをやめたいのにやめられない理由のひとつである、脳のブレーキについて解説します。

無意識のうちに行動へとつながってしまう流れを知ることで、「自分が弱いわけじゃなかった」と納得できるきっかけになればと思います。

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

STEP確認

この記事はギャンブル依存症から抜け出すための「STEP2-3」です。単独でも読める記事になっていますが全体の流れを確認したい方は下記リンクへ進みください。

シリーズ全体の流れを確認したい方はこちら。

目次

【結論】疲労や変化が、理性をさらに失わせる

私たちの「意思決定」や「感情制御」をしている脳のブレーキは疲労やストレスに弱く、またギャンブル依存症になると変化して機能が低下する可能性があると研究で分かっています。

その結果

  • 「感情を抑える制御力」
  • 「今、やるべきことをやる集中力」
  • 「やりたくないことを区別する判断力」

といった理性が必要な力が弱まってしまいます。

これが「やめたいと思っているのに、やってしまう」行動に繋がり、ギャンブルがやめられない要因になります。

【理由①】前頭前野の役目はブレーキ

前頭前野の役目はブレーキ

私たちの理性をつかさどる脳のブレーキは前頭前野（ぜんとうぜんや）と呼ばれています。

前頭前野とは

前頭前野は日常的に脳の「意思決定」や「感情制御」を行っている部分で、これが正常に働いている時は理性で衝動を抑え、計画的に行動することができるということが脳の研究で分かっています。

前頭前野はギャンブル衝動のブレーキ

前頭前野は、衝動を抑える重要な役割を果たしています。
これは「感情を制御する」ため、「今は我慢しておこう」と判断する脳の司令塔であり「ブレーキ」のような存在です。

例えば：

  • ギャンブルで負けたとしても、「今日はやめよう」と意志で決めた自分がいる。
  • イライラするのでギャンブルしようかな？・・・「いや、今日はやめておこう」

このように前頭前野が正常に働いていれば、ギャンブルの衝動を理性で抑えることができやすくなります。

保全士:ひろのぶ

前頭前野は、まさにサーボモーターを制御するブレーキに相当。モーターの回転を制御する重要な装置です。

【理由②】ブレーキの効きが弱くなる要因

ブレーキの効きが弱くなる要因

私たちの理性をつかさどる脳のブレーキがどのような場面で弱くなるのかを解説します。

疲労すると弱くなる

前頭前野の疲労が蓄積することで、脳は衝動的な行動を抑える力が弱まります。 ギャンブルをやめようと思っていても、自分の感情や欲求が優先されてしまうという現象が起こります。

またストレスは脳に負荷を与え疲労させやすくなります。

正常に働いていれば抑えることができていたが、前頭前野の疲労がひどくなると、

  • 「もう少しだけやってみよう」
  • 「今日はギャンブルしちゃおう」

といった衝動を抑えられなくなり結果的にギャンブルに手を出す、もしくは継続してしまうことに繋がります。

保全士:ひろのぶ

前頭前野はモーターを制御するブレーキ。そこが疲弊して機能しなくなるとモーターを制御できず、暴走しても止まれなくなるのは当然の結果です。

ドーパミンの分泌で弱くなる

ギャンブルをしている時にも前頭前野の働きが低下します。
脳が「報酬」を求めて過度に興奮するためドーパミンの分泌が過剰になり、前頭前野の理性をコントロールする働きが鈍くなります。

その結果ギャンブルの衝動を抑える力が弱まり、ギャンブルを初めてしまうと少しだけでは止まらず続いてしまうことになります。

ギャンブルは脳を“興奮状態”に持ち込む仕組みで設計されており、前頭前野の制御機能が低下しやすい環境を作り出します。

そのため冷静な判断力を失い、行動が抑えられなくなってしまうのです。

保全士:ひろのぶ

ギャンブルは脳の故障を引き起こす「仕組み」になっているということですね。

【理由③】前頭前野が萎縮や変化してしまう

私たちの理性をつかさどる脳のブレーキはとある要因で萎縮、変形してしまうことが研究で分かっています。

長期間のストレスが与える前頭前野の萎縮

長期にわたって継続的にストレスを与え続けられると、前頭前野は萎縮すると研究で分かっており、萎縮すれば当然機能は低下してしまいます。

つまり、ストレスや疲労がたまった状態が長期間続くと、常に前頭前野の機能が低下した状態になってしまう為、より一層理性より感情が優先されやすくなるということが考えられます。

ストレスから解放されることで前頭前野は回復していくらしいのですが、「強いストレス」を受けてしまうと回復が難しくなるとも言われていますので、日常的なストレスを減らすことも大切だと考えられます。

ギャンブル依存症で前頭前野が変化する

研究の結果で、ギャンブル依存症患者の場合は背外側前頭前野の活動が低下していること、状況を理解し柔軟にリスクに対する態度を切り替える能力に障害があることが分かっています。

つまりギャンブル依存症の人は前頭前野（ブレーキ）が、すでに効きにくくなっている状態になっている可能性があるということになります。

保全士:ひろのぶ

長期間酷使しすぎた設備は性能が摩耗などによって低下することがあります。そうなるとメンテナンスの為、休ませる必要があります。しかしメンテナンスを怠ると、そのまま破損してしまい取り返しがつかないことになるかもしれません。

参考：国立大学法人京都大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構ギャンブル依存症の神経メカニズム―前頭葉の一部の活動や結合の低下でリスクの取り方の柔軟性に障害―,2025/4/23
https://www.amed.go.jp/news/release_20170404-02.html

【補足】ギャンブル以外でも影響が出る

ギャンブル以外でも前頭前野は様々な役割があり、生活するうえでとても重要な機能です。

  • 合理的な決定（情報を処理する能力）
  • ワーキングメモリ（短期記憶）
  • 注意力（集中力の維持）
  • 感情制御（気分の落ち込みや感情の爆発を調整）

このように私たちの理性的な部分に深く関係しています。

ギャンブル依存症で脳が変化するということはギャンブル以外でも影響が出るということで、研究では選ぶ必要が無いハイリスクハイリターンを選びやすいとも言われています。

【対策】前頭前野を守るために有効なこと

前頭前野を守るために有効なこと

前頭前野を守るためにやるべきこととしては

  • ストレスを低減する（不安を減らす）
  • 活性化させる（脳トレや新しい活動をする）
  • 休ませる（ぼーっとする時間を作る）

これらの活動が有効となります。

ギャンブル依存症から抜け出すためにギャンブル以外の生活習慣も大切ということになります。

【結論】ブレーキが弱くなりギャンブルを欲する

ギャンブル依存症になるとブレーキが効きにくくなっている可能性があります。また日常的なストレスや疲労は、前頭前野の働きを大きく低下させます。

この状態では意思決定がうまくできなくなり、理性をもって行動することが難しくなると一般的に考えられています。

さらに脳はストレスを感じると楽しい活動などを通してストレスを解消し、心身のバランスを取り戻すことを望むようになります。

そしてギャンブルは即座に快感を与えてくれるため、ストレス解消の手段として自動的に選ばれることが多くなります。

つまり、ストレスや疲労がたまった状態では“前頭前野の機能低下＋ストレス解消を脳が望む”こととなり、

理性より感情が優先され、「やってしまう自分」を止めることが非常に難しくなると考えられます。

ですのでギャンブル衝動に勝つためにはギャンブル衝動を減少させることも重要ですが、このブレーキの効きを良くすることも重要です。

そしてブレーキは回復不能ではなく、回復していく、さらに強化することもできる。

保全士:ひろのぶ

設備のメンテナンスを怠った状態がストレス過多の状態と言えます。日々のメンテナンスの重要性が見えてきますね。

【まとめ】前頭前野の疲労や変化が引き起こす衝動

  • 前頭前野は感情や行動の制御を担っている
  • ストレスや疲労でその働きが弱まり、衝動を抑えられなくなる
  • ギャンブルは興奮状態を作り出し、前頭前野を疲れさせる
  • 「やりたい」という衝動が強くなるのは、前頭前野の機能低下が原因の一つ

これらを理解することで、「やめられない自分」への理解が深まります。

※本記事は筆者の個人的な体験と学習に基づいた内容であり、医学的・専門的助言を提供するものではありません。依存症に関する治療や支援が必要な場合は、専門の医療機関や相談機関に相談することをお勧めします。
詳しい情報やサポートを受けるには、 厚生労働省 依存症対策ポータルサイトをご覧ください。

次回

次は「依存は自動化されている」その仕組みを解説します。

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参考・出典

原因（STEP2）
STEP2 ギャンブル ストレス ブレーキ 依存症 前頭前野 原因 知識
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