【パチンコ&スロット負け金額】実際にどれだけ負けている?計算してみた!

【パチンコ&スロット負け金額】実際にどれだけ負けている?計算してみた!

「ギャンブルはやめときな」
「どうせ負けるんだから」など

良く耳にするフレーズですよね。

でもそんなこと言われたって勝てる時もあるし、勝っている人もいるじゃないか!
そう思うのは自然なこと。
でも実は、どれほど負けるのかは目に見える数値で出せます。

今回は「パチンコ&スロットの年間平均“損失金額”を計算」というテーマでお話します。

実際にどれくらい勝ちにくく、負けやすいものなのかを、数値で一緒に計算して見てみましょう。
そして今後どうするのか、一度考えるきっかけにしてみてください。

目次

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【計算1】お店の売上高・営業利益を知ろう

まずはパチンコ&スロットの店舗側、お店がどれほど「売上」を上げているのか。
そして「利益」がどれほどあるのかについて話していきます。

市場の年間売上

2013年2018年2023年
競馬2兆4,000億円2兆7,900億円3兆2,900億円
競艇9,400億円1兆3,700億円2兆4,200億円
パチンコ&スロット25兆0,000億円20兆7,000億円15兆7,000億円

各ギャンブルの年間売上一覧(5年毎)です。
※値は大体です

これは市場の「年間売上」で2013年から5年ごとの数値です。
また競馬と競艇も参考として載せてあります。

特に見てもらいたいのは、2023年のパチンコ&スロットで、15兆7,000億円の売上になります。

みなさんはこれを見てどう思いますか?思ったより多いですか?少ないですか?

これはあくまで売上で、私たちが支払ったお金の総額になります。
ここからお店側から私たちの「勝ち分が払い戻される」ので、あくまでも動いたお金の総額です。
ですがこの数値で、どれほど大きな金額が動いているかが分かるかと思います。

営業利益

次にお店側の「営業利益」で、先ほどの表の2023年度の情報を元に話していきます。
特にはまっている人が多い、競馬とパチンコ&スロットに的をしぼって詳しく見ていきましょう。

2023年市場売上高払い戻し
(還元率)
原価・販管費営業利益
競馬3兆2,900億円2兆4,000億円(75%)8,330億円
(23.27%)
570億円(1.73%)
パチンコ・スロット15兆7,000億円13兆1,600億円(83%)2兆4,144億円
(16.2%)
1256億円(0.8%)

レジャー白書2024
上記の数値を参考に表を作成

営業利益はお店の利益、つまり取り分になります。

計算としては「売上高」に対して「払い戻し」を差し引く。
これは競馬で言えば的中した場合の金額分、パチンコ&スロットで言えば景品交換時の金額分です。

そして「原価・販管費」というのはお店の運営費用で、これも差し引きます。

そうして残った分がお店の「営業利益」、つまりはお店の取り分となります。
ちなみに営業利益の正確な数値がなかったので、色々調べた結果営業利益を0.8%として計算しています。

・売上高とはお店が得た、売り上げの総額
(かかった費用とかを清算する前で、ほぼ玉やメダルを借りた金額です)
・営業利益とは、経営費用を差し引いた後の企業の取り分になります

営業利益は少なく見える

今回の場合だと競馬が1.73%で570億円、パチンコ・スロットだと0.8%で1256億円です。

こうしてみると、

「なんだ、お店側の利益はたったの0.5~2%程度じゃないか」
「思ったより儲けてないんだな」
と、営業利益は少なく見えるかもしれません。

お店側からすれば
「利益は0.5~2%程度しかないんだよ!!」
「もっとお金使っていってよ!」
という気持ちかもしれません。

実際とある店舗のホームページでも「利益はたったの1%」しかありません、と書かれていました。

ここだけ見ると
「たいした金額負けてなさそう」
「お店もそんな無茶苦茶な設定をしているわけじゃない」
そんな風に思えてしまいます。

ですが、私たちが本当に見るべきはそこではありません。

お店の売上高・営業利益については以上になります。

【計算2】損失金額を知ろう

ここからは私たちが損失した、負けた金額を把握するために更に深堀して話していきます。

原価と販管費

先ほどの表の「原価と販管費」に注目してください。

売上高払い戻し(還元率)原価・販管費営業利益
競馬3兆2,900億円2兆4,000億円(75%)8,330億円
(23.27%)
570億円(1.73%)
パチンコ・スロット15兆7,000億円13兆1,600億円(83%)2兆4,144億円
(16.2%)
1256億円(0.8%)

2023年度
※値は大体です

この原価と販管費はお店の運営費用で、パチンコの筐体、お店の維持費、スタッフの給与、CMなどの宣伝費などすべてここに含まれます。

補足説明
・原価とは直接サービスに関わった人件費、経費、外注費などが含まれてます。スタッフの方や電気代とか建物とかです。
・販管費とは正式には販売費と一般管理費と呼びます。広告宣伝費用、間接部門の人件費、経費、企業全体の管理費用になります。営業や技術部門とかです。

そしてこの原価・販管費等の金額はどこから支払っているのか?
これはもちろん、私たちが出したお金、「売上高」から支払っています。

損失金額

ですので私たちが払っている損失金額は次になります。

売上高-払い戻し = 原価・販管費+営業利益
プレイヤーの損失金額 = 原価・販管費+営業利益 = 売上高の17%
15兆7,000億円(100%)の17% = 2兆5,400億円

これだけの金額を毎年損失している、ということです。

補足説明
競馬など公営ギャンブルは収益の一部を国(地方公共団体金融機構)に納付する制度があります。ざっくり売上の1%程度らしいですがそれも原価・販管費に含めてあります。・・・それでも3兆あれば3000億ですが。

お店の利益と損失金額は関係ない

ここで私が一番伝えたいことは「お店の利益と、私たちの損失金額は関係ない」ということ。

「お店が0.5~2%の利益」であっても全体の17%である2兆5,400億円」もの金額をプレイヤーが失っていることに変わりはない。

また使われているお店の運営費用として、店舗自体や筐体などにかなりの金額が使われています。

だからお店側がどれだけ「私たち儲かっていませんよ」と言っても「そんなの関係無い」ということです。

損失金額を知ろうは以上になります。

【計算3】一人当たり損失金額を知ろう

ここからはさきほどの損失金額から分かる、ひとりひとりの損失金額について話していきます。

一人当たり年間平均損失金額

先ほどの損失金額を分かりやすくしました。
プレイヤー損失金額と一人当たり損失金額に注目してください。

売上高 払い戻し
(還元率)
プレイヤー
損失金額
一人当たり
損失金額
参加人口
(客)
競馬3兆2,900億円2兆4,000億円(75%)8,570億円
(25%)
19万円462万人
パチンコ・スロット15兆7,000億円13兆1,600億円(83%)2兆5,400億円
(17%)
38.4万円660万人

2023年度
※値は大体です

プレイヤー損失金額」は先ほどの「原価・販管費」と「営業利益」をまとめた数値で、2兆5,400億円です。

そしてそれを「参加人口」660万人で割った金額が「一人当たり年間平均“損失金額”」になります。

「参加人口」は日本生産性本部が発行するレジャー白書の2024年の情報(2023年度の情報まとめ)(以下レジャー白書)を参考にさせてもらっています。
※このレジャー白書はホールの営業数値などデータをまとめたもので、ネットで調べれば出てきます。

一人当たり年間平均損失金額
・競馬 19万円
・パチンコ・スロット 38.4万円

・・・どうでしょうか?

数値として見てみると、少しびっくりする金額ではないでしょうか?

大切なのは、たまたま負けてこの金額、ではなくて「平均値」ということ。

つまり38万4千円負けることは、「当たり前」だと言えます。

なぜこんな金額になる?

なぜこんな金額になってしまうのかですが、パチンコ&スロットは年間平均活動回数がレジャー白書によると31.2回と言われています。

そして遊戯金額は一人当たり平均1~2万円とも言われています。
つまり1回当たりの金額はそれほど多くなくとも、パチンコ&スロットは活動回数が多い。
だから確率的にも収束しやすいですし、結果として年間平均38.4万円という大きな損失になります。

ギャンブルで勝っている人がいる?

でも実際にパチンコ&スロットで年間で勝っている人もいると思います。

「知り合いに勝っている人がいる」
「ギャンブルに絶対は無い」
という方は多いでしょう。

ただ残念ながら、それが事実の場合、負けている人からすると損失金額が増えるだけになります。

たとえば全体の5%の人が年間100万円勝っている場合とします。
計算すると負けている95%の人の損失金額は、マイナス45.7万円に増えていきます。

元はプレイヤーのお金

そもそもお店が払い戻しで還元しているお金は、負けている人のお金。
だから負けている人からすれば、勝っている人がいることはマイナス要素でしかないです。

お店と勝負しているつもりでも、そのお金は元をたどれば私たちプレイヤーのお金。

そして誰かが勝っている分だけこの損失金額は「負けている人たちが多く払っている」ということになります。

参加人口について

補足ですが、この参加人口というのは1年間に1回でも来た人の数らしいです。
その人がちょっと来て、3千円くらいやって、それっきりこなかったとしてもカウントされています。
つまり、こうした人達がこの金額の平均値を下げているかもしれません。

ただ逆に参加人口はもっといるのではないか?という意見もネット上でちらほら見かけます。
あくまでもレジャー白書で計測できた数値を使った計算になりますので、参考程度にしてください

一人当たり損失金額は以上になります。

最後に伝えたいこと

ギャンブルは勝ちにくい

こうしてお金の流れと実際にこれだけの損失が出ているという事実。

これをベースにして考えると、いかにパチンコ&スロットなどギャンブルが勝ちにくいものであるのかが、分かりやすくなります。
なにせ参加人口が660万人いて平均して38万円負けるわけですから、100万円勝つのがどれだけ大変か。
でもなぜかギャンブルをやるときって、自分は勝てると思ってしまうんですよね。

お店の利益と損失金額の関係

ただ今回の数値から言えることは

  • 1.平均して38万円負けるのが「当たり前」
  • 2.お店の利益が1%程度でも、運用費用を入れたら「17%も損失金額がある」
  • 3.プレイヤーの損失金額にお店の利益は「関係ない」

今回ちょっと回りくどい計算をしましたが、それは「お店の利益が低い=私たちの損失金額が低い」という話にはならない。
これを伝えたかったからになります。

「粗利益」ってやつが今回話した損失金額に該当しますので、興味があれば調べてみてください。

まとめ

今回のテーマ「パチンコ&スロットの年間平均“損失金額”を計算」はいかがでしたか?

  • パチンコ&スロットの市場は大きく、2023年では15兆7,000億円も動きがある
  • お店側は1256億円程度の利益で「1%程度」しか儲けていない
  • 運営費用も損失金額に含まれるので「合計17%」で「2兆5,400億円」になる
  • つまり「お店の利益が低い=私たちの損失金額が低い」わけではない
  • 結果として一人当たり年間平均“損失金額38.4万円
  • 年間平均活動回数は31.2回で回数が多い分確率が収束しやすい
  • だから遊戯金額が一人当たり平均1~2万円でも大きな損失金額になる
  • 誰かが勝っている分だけ、「負けている人たちが多く払っている」

ぜひ今回の内容を参考にしてもらい、金銭目的でやるには難しいなど考えるきっかけになれば幸いです。

また今回は話せなかった「還元率と機械割」についてと、「本当に儲かっている企業」について今後動画にしていきます。興味があればぜひ見てみてください。

備考

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「この世界は、生きづらいものだ」と思っていた過去があります。
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参考・出典

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